INTERVIEW関係者の想い

2016年7月

プロジェクト名に込めた目的へ最大限の努力を

従来あったストーリーや価値を現代、未来につなげる

 「SILK on VALLEY(シルク・オン・ヴァレー)」というプロジェクト名は、美しい山鹿の自然を感じながら、世界に向けてチャレンジする、新しいものを創るという想いを込めて命名しました。もっとも、山鹿のシルク事業はまったく新規のものではなく、地域に根ざした伝統的な産業を編集、デザインし直して、現代の世に発表するというものです。
 こうしたアプローチ自体の日本の新たな発信地になればという意味も込められています。

 もともとあるものを大切にして、そこにあるストーリーや価値を再発見し、現代に生かしていくということは、リバースプロジェクトの一貫した価値観でもあります。今の世の中は物が満ち足りていて、物に不自由することがほとんどなくなっていますが、だからこそ自分たちに必要なもの、大切にしなければいけないものの見極めが問われています。
 このプロジェクトは、もともとあった養蚕、それも自然の恩恵を受けてできるものを現代に生かし、未来に向けて創造するというもの。この“行ない”にこそ、この事業の大きな可能性があると受け止めています。

 私たちは、水も空気も食べ物も無限にあるわけでなく、有限のなかで生きています。しかも人口は増え、環境も厳しくなっている。そうした時代においては、「今まであったものをどう大切にするか」「いかに自然とうまく付き合い、感謝をもって自分たちの身につけるものや食べるものを得るか」という考え方、価値観を増やすことが重要です。
 このプロジェクトはまさに、その意味で大きな重要性を秘めているのです。

「両親共に江戸っ子の私にとって、山鹿という故郷を感じさせるような素敵な地域と関係性ができたことも嬉しいですね」と語った龜石氏

本質を見失わず、連携を取りながらブランドを育てていきたい

 ブランドを確立させることは、簡単なことではありません。5年、10年、100年後と未来をどう考えるか。
 ただ、どんな未来も1日1日の積み重ねです。桑を植え、養蚕工場を建てる準備をし、地震などの困難に遭いながらも諦めず、乗り越えていく。工場が稼働して最初の糸や成分の収穫があり、それが実際の製品となった瞬間が、最初のゴールになるでしょう。

 今から楽しみで仕方がありませんが、そうした達成感をプロジェクトに携わる皆様と一つずつ共有し、連携を取りながら、ブランドを育てていきたい。ブランドとは何か。このストーリーはなぜ重要なのか。本質的なポイントを見失わず、発展させていくことが、リバースプロジェクトが関わる意味だとも思っています。
 それぞれが主体性を持った素晴らしいチームの一員として、全力で私たちの役割を担っていくつもりです。